殺意の果てに
先々週、実家に帰った際に、預けてあったゴルフバックを引き取りました。
自分の手元に戻ったのは、かれこれ半年ほどぶりでしょうか。
藤沢に帰ってから、早速練習を開始しました。
実は、私の実家とゴルフとは、切っても切れない関係にあります。
私の兄が地元の千葉県鴨川市で居酒屋を経営していることは、このブログでも何度か述べていますが、その居酒屋開店よりも前から実家主催ではじめている年に一度の行事があります。
6月の、ゴルフコンペです。
当初は、母方の親戚一同(私のいとこ達)が集まってのコンペでした。
そのため、コンペ名称もその母方の祖父の名前を掲げています。
時は流れ、徐々にいとこ達の出席率は落ちていきました(かくゆう私も四国にいるときは参加できませんでしたが)。
その代わり、兄の店の常連客が徐々に参加し始め、現状ではこの店中心のコンペとなっています。
とはいえ、元々は親戚一同で始めたコンペ。
それが現状では、私の兄夫妻のみが参加、というのでは、あまりにばつが悪い。
今年は、私も関東に戻った以上、参加しないわけにはいきません。
開催日は、店の休日にあわせ、火曜日に設定しています。
短くとも、1日半の休暇をとるために、GW明けから根回しをしていこうと思います。
さて、いざゴルフの練習をはじめようと思ったのですが、私はここ本鵠沼に引っ越してからわずか1ヶ月。
まずは、最寄のゴルフ練習場を探さなければなりません。
で、ネットでいろいろ調べたのですが・・・。
あんまりないんですよね。
ネットに載ってないだけかもしれないけど。
で、目についたのが、この練習場。
「藤沢ジャンボゴルフ」
「ああ、ここがあったか・・・。」
思わずつぶやいてしまいました。
この藤沢ジャンボゴルフは、県内でも有名な大規模の練習場。
実は、私もかつてよく通っていた練習場です。
その規模とゴージャスな設備ゆえに、値段はかなりお高めですが、ここでの練習はやはり気持ちがいい。
若かりしころは、よく女性を誘っての練習会に利用したものです。
(ろくな腕もないのに、まあよくやったものです。)
この練習場には、これとは別に、幾つかの苦い思い出もあります。
例えば・・・。
私、この練習場で、ドライバーを折った ことがあります。
ある日、ティーアップをしているにもかかわらず、激しくダフったら(地面を叩くこと)、急にドライバーが軽くなり、フィニッシュで大きくのけぞった。
気づくと、やや左側、30ヤードほど前方に、ドライバーのヘッドが転がっていた。
肝心のボールは、私の足元を悲しくさまよっていた・・・。
周辺の見知らぬ客数人に、くすくすと笑われました。
その中の一人に「何のクラブですか?」と聞かれ、なんのひねりもなく「ドライバーです」と答えました。
何かひねりを聞かせた返しは、このときは浮かんできませんでした。
そういえば、あの頃はまだ私は寮にいました。
かれこれ10年も前の話になります。
今となれば笑い話です。
・・・いや、昔から笑い話、ですね。
当時から、私はこのエピソードを「ネタ」にしていました。
それなりに笑いは取れました。
ただ、実はこの事件?には、隠れた原因があります。
ちょっと、笑いだけでは済まされない、別の意味で恥ずかしい話が隠されています。
私の馬鹿力だけをを示すエピソードではないのです。
実は、このドライバーが折れる前、練習をする度に「上手く打てない」自分に腹を立て、クラブを地面に何度か叩きつけていました。
そのダメージが、折れたドライバーには蓄積されていたに違いありません。
自分のスイングに、自分の打球に腹を立て、その度にクラブを叩きつける。
その都度、暴言を吐く。
それも一人で・・・。
正直、かなり大人気なく、他の客にも迷惑な行為です。
それを私は、しばらくやっていました。
今から思えば、全く恥ずかしい限りなのですが、当時の私は正直周りが見えなかった。
あの頃、確か入社3〜4年目くらい。
私はすべてにおいて、希望を失っていました。
営業に配属され、そこでなんら手ごたえをつかむことが出来ず、周囲ともうまくいかず、完全に浮いていた時期。
職場の人間から、仕事だけでなく、人格まで否定され続けた日々。
営業でいながら、職場で一言も口を利かないことも良くありました。
そんな状況でしたから、当然彼女なんかも出来ない。
何をやってもうまくいかない中で、営業という職業柄、半ば強制的に始めさせられたゴルフでも、全く上達する気配がない。
「ゴルフぐらいは結果を出したい」と、意地になって練習をしましたが、全くダメ。
恐らく、センスという意味では、あまりあるほうではないのでしょう。
大して練習していない者に、どんどん追い抜かれていく。
そうしているうちに、私の考えはどんどん暴走していきました。
「オレはゴルフが出来ないから、仕事が出来ない、彼女も出来ない。」
「ゴルフをやる自分は、ダメな自分の象徴だ。」
もはや私のゴルフをやる動機は「恨み辛み」になっていました。
ゴルフの楽しさとか、微塵もない状態。
そんな状態のころの、この藤沢ジャンボゴルフでの、もう一つの苦い経験があります。
何をやっても上手くいかず、救いの手を求める形で、私は初めて個人レッスンを申し込みました。
「何回セット」ではない、単発のレッスン。
確か、20分2,000円くらい、だったと思います。
出てきたのは、小柄で小太りのおっさん。
岩のような顔をした、いかにも厳しそうな人でした。
彼は私のスイングと打球を見て、これでもかといわんばかりに酷評します。
「なんだ、そのスイングは。」
「今まで、いったい何やってきたの?」
今思えば、彼は彼なりに、短い時間で少しでも自分の言うことを吸収してもらうための手段として、上記のような言い方をしたのかもしれません。
しかし、当時の私にとっては、これは単にゴルフへの指摘ではなく、私という人間への人格否定でした。
正直、手に持っているアイアンで、彼の頭を殴りつけようかと思いました。
それを何とか踏みとどまったので、とりあえず今私はこうしています。
ただ、これ以来、個人レッスン自体を申し込むことは一切なくなりましたが・・・。
そんな苦い経験も重ねた藤沢ジャンボゴルフ。
幸か不幸か、またここで練習することになりました。
あのころと変わらぬ、壮大な景色です。


あのころから、月日は流れました。
あれから徐々にではありますが、ゴルフはいくらか上達し、1度だけ95(44−51)というスコアを出しました。
そのスコアを出したのが、確か5年ほど前。
このあと、私のゴルフは下降線の一途をたどります。
今では、110〜120あたりを漂流しています。
やればやるほど下手になる。
まるで「アルジャーノンに花束を」のように、進化から退化の曲線を描いています。
ただ、今は、それを「自分の人生」や「ダメな自分の象徴」という捕らえ方は、していません。
実は、つい最近まで、そういう発想が、私の中には残っていたような気がします。
四国にいたときも、残っていたと思います。
今、そういう気持ちがなくなっているのは、恐らく「四国から戻ってきた」という、自負なのかもしれません。
つまらない自負なのかもしれませんが・・・。
ゴルフは、ダメな自分の象徴ではない、と、やっと思えたような気がします。
そう思うのに、10年かかった、ということなのでしょう。
幸か不幸か、実家でコンペがあることもあり、ゴルフを止めずにすんでいます。
今は純粋に「もう少し上手くなりたい。」と、思えているような気がします。
そんな気持ちで半年振りの練習に取り掛かったのですが、状況は芳しくありませんでした。
やはり、心構えだけでは、どうにもならない部分があるようです。
練習の帰り、ふとこんな看板を見つけました。

ゴルフレッスンを紹介する看板です。
写真はレッスンを担当する、いわゆるレッスンプロ。
あの、岩のような顔のおっさんは、もういませんでした。
レッスンは、昔のような単発のものではなく、各レベルに合わせたコースに分かれています。
その中の「基本習得コース」に、こんなことが書いてありました。
「これからゴルフを始めてみようという方、長年自己流でやってきて伸び悩んでいる方などにご用意したコースです。」
長年自己流で伸び悩み・・・。
今の私、そのものです。
レッスンプロも、4人のうち2人は女子プロだし・・・。
実家のコンペまであと1ヶ月。
藤沢での新生活を模索する自分に、一つだけ、当面やることが見つかったような気がしています。
***今日の血圧(mmHg)150-96***
ランキングです。どうかひとつ。

自分の手元に戻ったのは、かれこれ半年ほどぶりでしょうか。
藤沢に帰ってから、早速練習を開始しました。
実は、私の実家とゴルフとは、切っても切れない関係にあります。
私の兄が地元の千葉県鴨川市で居酒屋を経営していることは、このブログでも何度か述べていますが、その居酒屋開店よりも前から実家主催ではじめている年に一度の行事があります。
6月の、ゴルフコンペです。
当初は、母方の親戚一同(私のいとこ達)が集まってのコンペでした。
そのため、コンペ名称もその母方の祖父の名前を掲げています。
時は流れ、徐々にいとこ達の出席率は落ちていきました(かくゆう私も四国にいるときは参加できませんでしたが)。
その代わり、兄の店の常連客が徐々に参加し始め、現状ではこの店中心のコンペとなっています。
とはいえ、元々は親戚一同で始めたコンペ。
それが現状では、私の兄夫妻のみが参加、というのでは、あまりにばつが悪い。
今年は、私も関東に戻った以上、参加しないわけにはいきません。
開催日は、店の休日にあわせ、火曜日に設定しています。
短くとも、1日半の休暇をとるために、GW明けから根回しをしていこうと思います。
さて、いざゴルフの練習をはじめようと思ったのですが、私はここ本鵠沼に引っ越してからわずか1ヶ月。
まずは、最寄のゴルフ練習場を探さなければなりません。
で、ネットでいろいろ調べたのですが・・・。
あんまりないんですよね。
ネットに載ってないだけかもしれないけど。
で、目についたのが、この練習場。
「藤沢ジャンボゴルフ」
「ああ、ここがあったか・・・。」
思わずつぶやいてしまいました。
この藤沢ジャンボゴルフは、県内でも有名な大規模の練習場。
実は、私もかつてよく通っていた練習場です。
その規模とゴージャスな設備ゆえに、値段はかなりお高めですが、ここでの練習はやはり気持ちがいい。
若かりしころは、よく女性を誘っての練習会に利用したものです。
(ろくな腕もないのに、まあよくやったものです。)
この練習場には、これとは別に、幾つかの苦い思い出もあります。
例えば・・・。
私、この練習場で、ドライバーを折った ことがあります。
ある日、ティーアップをしているにもかかわらず、激しくダフったら(地面を叩くこと)、急にドライバーが軽くなり、フィニッシュで大きくのけぞった。
気づくと、やや左側、30ヤードほど前方に、ドライバーのヘッドが転がっていた。
肝心のボールは、私の足元を悲しくさまよっていた・・・。
周辺の見知らぬ客数人に、くすくすと笑われました。
その中の一人に「何のクラブですか?」と聞かれ、なんのひねりもなく「ドライバーです」と答えました。
何かひねりを聞かせた返しは、このときは浮かんできませんでした。
そういえば、あの頃はまだ私は寮にいました。
かれこれ10年も前の話になります。
今となれば笑い話です。
・・・いや、昔から笑い話、ですね。
当時から、私はこのエピソードを「ネタ」にしていました。
それなりに笑いは取れました。
ただ、実はこの事件?には、隠れた原因があります。
ちょっと、笑いだけでは済まされない、別の意味で恥ずかしい話が隠されています。
私の馬鹿力だけをを示すエピソードではないのです。
実は、このドライバーが折れる前、練習をする度に「上手く打てない」自分に腹を立て、クラブを地面に何度か叩きつけていました。
そのダメージが、折れたドライバーには蓄積されていたに違いありません。
自分のスイングに、自分の打球に腹を立て、その度にクラブを叩きつける。
その都度、暴言を吐く。
それも一人で・・・。
正直、かなり大人気なく、他の客にも迷惑な行為です。
それを私は、しばらくやっていました。
今から思えば、全く恥ずかしい限りなのですが、当時の私は正直周りが見えなかった。
あの頃、確か入社3〜4年目くらい。
私はすべてにおいて、希望を失っていました。
営業に配属され、そこでなんら手ごたえをつかむことが出来ず、周囲ともうまくいかず、完全に浮いていた時期。
職場の人間から、仕事だけでなく、人格まで否定され続けた日々。
営業でいながら、職場で一言も口を利かないことも良くありました。
そんな状況でしたから、当然彼女なんかも出来ない。
何をやってもうまくいかない中で、営業という職業柄、半ば強制的に始めさせられたゴルフでも、全く上達する気配がない。
「ゴルフぐらいは結果を出したい」と、意地になって練習をしましたが、全くダメ。
恐らく、センスという意味では、あまりあるほうではないのでしょう。
大して練習していない者に、どんどん追い抜かれていく。
そうしているうちに、私の考えはどんどん暴走していきました。
「オレはゴルフが出来ないから、仕事が出来ない、彼女も出来ない。」
「ゴルフをやる自分は、ダメな自分の象徴だ。」
もはや私のゴルフをやる動機は「恨み辛み」になっていました。
ゴルフの楽しさとか、微塵もない状態。
そんな状態のころの、この藤沢ジャンボゴルフでの、もう一つの苦い経験があります。
何をやっても上手くいかず、救いの手を求める形で、私は初めて個人レッスンを申し込みました。
「何回セット」ではない、単発のレッスン。
確か、20分2,000円くらい、だったと思います。
出てきたのは、小柄で小太りのおっさん。
岩のような顔をした、いかにも厳しそうな人でした。
彼は私のスイングと打球を見て、これでもかといわんばかりに酷評します。
「なんだ、そのスイングは。」
「今まで、いったい何やってきたの?」
今思えば、彼は彼なりに、短い時間で少しでも自分の言うことを吸収してもらうための手段として、上記のような言い方をしたのかもしれません。
しかし、当時の私にとっては、これは単にゴルフへの指摘ではなく、私という人間への人格否定でした。
正直、手に持っているアイアンで、彼の頭を殴りつけようかと思いました。
それを何とか踏みとどまったので、とりあえず今私はこうしています。
ただ、これ以来、個人レッスン自体を申し込むことは一切なくなりましたが・・・。
そんな苦い経験も重ねた藤沢ジャンボゴルフ。
幸か不幸か、またここで練習することになりました。
あのころと変わらぬ、壮大な景色です。


あのころから、月日は流れました。
あれから徐々にではありますが、ゴルフはいくらか上達し、1度だけ95(44−51)というスコアを出しました。
そのスコアを出したのが、確か5年ほど前。
このあと、私のゴルフは下降線の一途をたどります。
今では、110〜120あたりを漂流しています。
やればやるほど下手になる。
まるで「アルジャーノンに花束を」のように、進化から退化の曲線を描いています。
ただ、今は、それを「自分の人生」や「ダメな自分の象徴」という捕らえ方は、していません。
実は、つい最近まで、そういう発想が、私の中には残っていたような気がします。
四国にいたときも、残っていたと思います。
今、そういう気持ちがなくなっているのは、恐らく「四国から戻ってきた」という、自負なのかもしれません。
つまらない自負なのかもしれませんが・・・。
ゴルフは、ダメな自分の象徴ではない、と、やっと思えたような気がします。
そう思うのに、10年かかった、ということなのでしょう。
幸か不幸か、実家でコンペがあることもあり、ゴルフを止めずにすんでいます。
今は純粋に「もう少し上手くなりたい。」と、思えているような気がします。
そんな気持ちで半年振りの練習に取り掛かったのですが、状況は芳しくありませんでした。
やはり、心構えだけでは、どうにもならない部分があるようです。
練習の帰り、ふとこんな看板を見つけました。

ゴルフレッスンを紹介する看板です。
写真はレッスンを担当する、いわゆるレッスンプロ。
あの、岩のような顔のおっさんは、もういませんでした。
レッスンは、昔のような単発のものではなく、各レベルに合わせたコースに分かれています。
その中の「基本習得コース」に、こんなことが書いてありました。
「これからゴルフを始めてみようという方、長年自己流でやってきて伸び悩んでいる方などにご用意したコースです。」
長年自己流で伸び悩み・・・。
今の私、そのものです。
レッスンプロも、4人のうち2人は女子プロだし・・・。
実家のコンペまであと1ヶ月。
藤沢での新生活を模索する自分に、一つだけ、当面やることが見つかったような気がしています。
***今日の血圧(mmHg)150-96***
ランキングです。どうかひとつ。


